卒業論文作成メモ
卒業論文作成にあたり、参考文献の読書記録及びメモとして作成した。 卒論テーマは「体育会系人間の論理と行動様式」の予定。
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体育の社会的機能
体育は、運動による意図的・計画的・組織的な社会化である。浜口恵俊は、デュルケムの「組織的社会化」という教育の定義に従い、教育の社会的機能を体育に援用している。

体育の社会的機能には、社会の維持・存続に働く保守的機能と、社会の進歩・発展を図る進歩的機能がある。

保守的機能として、体育は労働力や兵力など社会的に有用な身体の形成を図り、同時に機能的身体観をもたせることによって社会的に有用な身体形成の動機付けを行い、そのための技術と方法を身につけさせる。
さらに、運動生活における標準的な行動様式(ルール・マナーなど)を学ばせることによって、運動生活の社会的同質性を高め、それを他の社会生活に転移させ、社会生活一般の同質性を保持しようとする。競技や競争を通しての価値観、身体観や運動観、学習指導過程における上下、あるいは水平などの人間関係を通じての規範の内面化を達成することにより、内面的社会統制として働く。

また、進歩的機能として、体育は、現存するさまざまな身体や運動の諸問題を通して、現実社会の矛盾を認識させ、その解決に志向する進歩的、創造的人間を育成するとともに、運動の諸能力の開発を通じて、運動におけるエリートの産出と選別を行い、社会での階層的移動に機能する。

これら諸機能は、社会体制や社会構造の相違に応じて強調点を変える。

(菅原禮 『体育社会学入門』 大修館書店 1975)
制度としての近代体育
運動による人間形成といわれる体育は、産業化や社会的分業の促進によって成立した。生産力が人力を中心とし、労働の分業が未発達で閉鎖的、固定的な伝統的社会では、運動による身体や人間の形成の機能は、生活の中で未分化であり、特定の目的を持つ人々(武士、貴族)を除いては、意図的、計画的、組織的に運動を人間形成のために行なう必要はなかった。
しかし、18~19世紀における産業革命により進んだ労働の機械化、都市化は、日常の自然な生活における身体の成熟を阻害した。産業革命当初には、青少年の著しい高死亡率を示し、多くの生命と健康の問題を生じさせた。
さらに、近代国家における軍事制度は国民皆兵を成立させ、新しい労働形態とともに、新しい身体の面での社会化として、強健な労働者と従順で勇猛な兵士を要求するようになった。

近代体育の制度は、強健な労働者と兵士という新しい身体の面での社会化を中心とした、社会における運動と身体の問題を意図的、計画的、活組織的に解決するために成立したのである。

体育制度の構成要素について、菅原禮は4つの例を挙げている。
①体育の学習・指導に最も広汎な指針を与える一般化された目標あるいは価値
②目標の追求を支配する規制的ルール、規範の中に見出されるルール(教育法規、学習指導要領、スポーツ・ルール、慣行など)
③規範的枠組みのなかでの体育の目標を達成するための個人あるいは集団のエネルギーの動員(体育制度の組織性、機構性、体育人口とその集団性)
④指導者及び学習者が手段として利用可能な状況的用具(教材、知識、情報、資料、経費、物的施設、設備、道具、器具など)

(菅原禮 『体育社会学入門』 大修館書店 1975)





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